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電車に乗ろうとした。しかし……とは言ったものの、何も起こっては居ない。
しかし、嫌な予感がしたのだ。
この世の物とは思えぬ、何かが。
「あの~、お客様、そろそろ出発しますよ…」
駅員だ。しまった。
「あ、すみません…」
俺は電車に乗り込むと、なんか神様とかが着てそうな服を着た美しい女性、太った金髪のおじさんだけが座っていた。
しかもこのおじさん、上半身裸では無いか。
駅員に止められないのだろうか……
俺はこの謎の雰囲気から逃れようと、スマホを取り出した。
そして、イヤホンを付ける。
「あー、暑いなぁ」
なんとなく、独り言を言った後、ゲームのBGMを聞いて居た。
妙に暖かいこの空間に、嫌悪感を抱きながらも、時は終電と共に進んでいった。
「次はぁ、暇人駅ぃ、暇人駅ぃ」
もうここまで来たのか。
俺は降りる準備を始めようとした、が。
まずい、おじさんと女性がこっち来た!
いや、見た目で判断するのは良くない。
しかし、いや、だが…
「あなたは、ここに居るべきでは無い。」
は?
「だから、あなたをあるべき場所へ導く。」
「暇人駅ぃ。暇z∞→↓∞◇◆▲〃%$★▲」
アナウンスの声が、歪んだ。
「?!」
「暇… ツェリ駅ぃ、ツェリ駅ぃ。お降りの際は、お忘れ物の無いよう、ご注意下さい。」
「なんだよ…これは。暇人駅では無い?!」
「あなたの居るべき場所よ。地獄谷竜夜。あなたは今日からこの異世界で生きていきなさい。」
異世界召喚とか…何考えてるんだよっ!
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