0人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
「……ねぇ!」
「起きて!」
ん、ここはどこだ。
「やっと起きたね」
周りを見渡す。
森、か。
で、俺の真上にピンクのロングヘアーの少女。
「大丈夫…?私はマナ。ジョブは非公式だけど一応大魔術師よ。」
非公式?大魔術師?何を言っている。
「なんだ、ゲームの事か?」
「ゲー、ム?何よそれ…」
俺はスマホを取りだし、ゲームを見せようとした。
しかし。
「ネットが繋がらない…?」
「網?」
「違う。全世界を繋ぐ物だ。俺はそういうのには過疎いから上手くは言えないが。」
「何だかわからないけど、あなた、名前は?」
「地獄谷竜夜。職業はサラリーマンだ。」
そう俺が言うと、彼女は考える姿勢。
「……職業って、ジョブの事?」
「……俺らは…ゲームの世界ではそう言っているな…」
彼女は、再び少し沈黙。
そして、
「じゃあ、マラスの所にでも行く?」
「マラス?」
「マラス。マラス・ユディ・フォロン。炎を司る大魔術師である、大炎術師よ。いつもギルドに居て、クエストの手伝いを積極的にしてくれるからマラスはギルドのマラス、とも呼ばれてるわ。」
「はぁ…」
ギルド?あれか。クエスト受注したりする奴。
「着いて来て。」
彼女はこちらに手招きしてきた。
俺は彼女の背中を追い、林道を進んだ。
最初のコメントを投稿しよう!