序章 異世界への切符

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マナは、蒼く輝く剣で先制攻撃。 いきなり女の方、恐らく『カレン』を倒した。 あれは完全殺人ではないか… 「ちっ…ウオオオオオオ!」 『ハルマン』は鉄の剣でマナに切りかかる。 しかしマナは回避、さらにカウンター。 ハルマンはギリギリガードする。しかしバランスを崩し、マナの炎の魔法を受け、転倒。 更に追撃。 マナは、息を吸い、思いきり剣を倒れたハルマンに降り下ろした。 「ぐああああああああっ!」 彼は叫び、倒れた。 それを見ていられず、俺は目を瞑る。 そして空間の歪みは消え、次に目を開けると、傷は無く、座り込むハルマンとカレンが居た。 「……?」 「ん?あぁ、これ。クロノス・サイド。競技での対人戦で使われる、怪我をしない戦闘よ。」 「なんだそれは………」 競技、と聞いたがそれはオリンピック的な何かか。 「使われるのは大体能力検定とかかな?」 「能力検定?」 「ジョブの昇格を決める昇格戦みたいな物よ。それと、ハルマン、カレン。大人しく仕事に戻りなさい」 すると二人はしょんぼりとしながら林道の方向へ行ってしまった。 それを見て居ると、拍手が聞こえた。 「流石だね。で…」 武器屋のおっさんだ。先程は空気同然になっていたが無事だったか。 「武器は暫く買わないわよ」 即答されている。 「酷いぜ、そりゃぁ無ぇよ、マナちゃんよ。」 「そんなのどうでも良いのよ、それよりマラスは居る?」 どうでも良い。 多分今の台詞でおっさんにクリティカルヒットが決まっただろう。 見れば、地味に涙目になっている。 哀れだ…… 「あ、ああ……多分居るぞ、ギルドに。……」 「ありがと。」 俺達はしょんぼりと縮まるおっさんと別れ、ギルドに向かっていった。
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