序章 異世界への切符

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「何だ?この光は…?」 右手の紋章が輝いた。 それを見て、マラスは言った。 「それは武器契約の証。武器は俺達にとって味方にも、敵にもなる事があるだろう。しかしその武器はお前に完全に忠誠を誓った。 もしお前をその武器を使って傷付ける者が現れればその武器は紋章の一部に変わる。まぁ、いつでも元に戻せるがな。」 なんと言うか…凄いな。まるで次元が違う。 視点によっては俺の居た世界よりも凄いぞ… 「で、この武器、どうやって使うんだ?」 俺が質問すると、マラスは言う。 「それなら実戦してみるぞ。」 「…は?」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 旅立ちの草原。 超初級クエストだ。 スライムを三体倒すのが今回のミッション。 サブミッションもあるようで、二人以上仲間が居ると、宝石が一個貰えるらしい。 「さて…俺は自分のクエストをやるからお前らで頑張れよ!では、マナ。彼氏と仲良くな!わっははははは!」 親指を立て、高らかに笑いながらマラスは言った。 それを聞いて私は赤面してしまった。恥ずかしく無いし、竜夜は彼氏じゃないよ! 「えっ?!彼氏じゃないよー!」 そう言った時にはもうマラスの姿は無く、その代わりに、スライムがこちらを睨んでいた。 三、四、七、いや、八体は居る。 竜夜は鎌でスライムを切り刻む。 私も臨戦態勢を取り、襲いかかってきたスライムを呆気なく倒した。 スライムの体から貨幣が落ちる。 竜夜はそれを拾い、微笑んだ。 「おぉ…金だ…!!」 私はそれを見て言った。 「100ゴールド。その程度じゃ、ガチャは引けないよ?」 「えっ…じゃあ、どのくらいで引けるのか…?」 「うーん…大体50000ゴールドで一回かな。」 それを聞いた竜夜は暫く動かなくなった。 「…まぁ…スライムは倒せたし良いか…」 私達は街に帰還した。 途中で3ゴールドを拾って喜ぶ竜夜は面白かった。 「おう!お疲れ様。」 マラスがギルドの酒場でビールを飲んでいた。 昼間なのに… 「健康に悪いよ、お酒ばかり飲むと。」 「分かってると言えばは分かってなくも無いぞ。それより、どうだ。武器の基本操作は余裕だっただろう。」 「そう言えば…」 竜夜は鎌をふるポーズを取って言った。 「それも武器契約の関係。」 私は武器契約はしてないけど… 蒼雷の杖。一応…武器契約しようかな。 愛着が沸きそうだし… 「大変だー!魔物が!」
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