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凪がどう断ってよいものかと考えているうちに、店主は彼女を小さな木製の脚立に座らせた。
「どうせお客さんはあなたくらいのものだし、あまり時間は取らせないから、ね?」
ふと、その様子が親しい友人を見つけた少女のように見えて、凪は断ることができなかった。
それに、この店主の声は耳によく、もう少し聞いていたいとも思ったのだ。
「じゃあ、お願いします」
凪がそう言って小さく頭を下げると、店主は嬉しそうにうなずいて、古びた表紙を指でめくるのであった。
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