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「あなたって優しいけど、それだけよね。
私のこと、全然束縛しないし、必死にもなってくれない」
別れが近づくと、いつも同じようなことを言われるのはなぜだろう?
少しどんよりした2月の空を窓越しに見ながら考える。
告白されて付き合って。半年くらいたつと、こうして詰られることが増える。
俺の受け身な付き合い方に問題があるのはわかってるけど。
正直、ドラマチックにぶつかり合う、感情的な恋愛は苦手なんだから仕方がない。
平穏が1番。ただ、穏やかに毎日を過ごす。それじゃあ不満なんだろうか?
「和真さんは、本当に私のこと好き?」
ビルの2階にあるこじんまりとしたカフェは、人もまばらで静かだ。もめるときっと、目立つ。
なにより、ハンカチを手にした目の前の彼女はすでに泣く体制だ。
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