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「夜は?疲れてると思うけど、ちょっとだけでも会えないかな?」
『ごめん。お父さんのとこ行って、家のこと手伝ってあげないといけないから』
「……ああ、そうだね。うん。わかった。会うのはまた今度にしよう。
文ちゃんも忙しいと思うけど、無理しないでね」
『ありがとう。本当にごめんなさい』
通話を切って、フゥと息を吐き、ソファーにもたれ掛かる。
事情が事情なだけに、仕方がないことだけど、付き合ってまだ2ヶ月でこれだけ会えないのは、わりと辛い。
(……前の彼女の時はこんなこと気にしたことなかったのにな)
会いたいと電話をもらうことはあっても、自分からかけることはあんまりなかった。
そこが毎度フラれる大きな要因だったワケだけど。
(……会いたい)
顔が見たい。声が聞きたい。
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