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この笑顔を守りたい。
そう思った気持ちに一切嘘はなかった。
どんなものからも、彼女を守り、大切にしたい。
そう誓ったことに、嘘はないけれど。
俺は、数年後、自分が間違いを犯したのだと悟るまで気づけなかった。
彼女を傷つけ、悲しませる存在が、
他の誰でもなく、
俺自身になり得ることに。
卑怯で、事なかれ主義で、逃げることばかり考えていた、バカで浅はかな俺は、
その可能性にすら気付くことが出来なかったんだ。
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