ラビリンス

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暗闇の中にそびえ立つ廃校は 至るところゴミが散乱し 壁はスプレーであちこち落書きがされ 校舎に備え付けられている窓ガラスは割られているものばかりだった 「うわーすごいね」 菊池はショートカットの髪を揺らし車から降りると怯えた目で校舎を眺め 松山はメガネをずりあげ愉しげに懐中電灯を光らせ辺りを照らした 「おー雰囲気あんな。いい感じじゃねーか」 新井は地面のゴミを蹴りあげ ニヤニヤしながらジーンズのポケットに両手をつっこみ歩きだすと ロングヘアーをかきあげた佐々岡は 無表情のまま タバコに火をつけその後ろに続いた 僕は菊池をチラチラ見ていたが 目が合いそうになり慌てて校舎を見上げると 割れた窓ガラスの向こうに人影のようなものが目に飛び込んできた。 目を薄めもう一度見てみたが暗くてよくわからない 気のせいかな?と また窓ガラスを仰視してると 「なか入ってみようか」 松山のその言葉に皆が移動しはじめたので 僕は視線を向けたまま後に続いた。
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