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校門を抜けボロボロの昇降口から校舎に入ると
中は外よりもゴミが散乱し落書きも多数されていた
僕たち五人は松山が照らす懐中電灯を頼りに一階から歩きだし
松山が先頭 菊池と僕が二人並んで歩き
その後ろに新井が
佐々岡は ずーと後ろをダルそうに歩く状態になった
「夜の校舎てやっぱ怖いね」
菊池の可愛く怯えた声に僕がニヤケてると
「おうメガネ!ここってそんな有名なのか?」
新井に乱暴に聞かれ 松山はおどおどしながら
「うん。来た人がみんなが幽霊らしきものを目撃したて話だよ」
「幽霊てどんな幽霊なんだ?」
尻馬にのり僕も松山に訪ねると
「顔が変形した男の幽霊みたいだぜ
幽霊てより化け物に近いかもな!
何でも生徒によって殺された教師が化けて出てるとか」
新井にたいするものとは違う松山の言葉使いに呆れた気持ちになったが
幽霊は幽霊でも貞子のようなものではない辺り信憑性がありそうな気がしてきた
「えー怖い」
菊池が口に手を当て小さくなるのを
僕と松山がデレデレしながらなだめてると
「くだらねー先公が化けて出てるだあ?もっとマシなやつかと思ってたぜ」
新井がゲラゲラ笑い
それを苦々しく感じながら気持ちを抑え
「でもほら、せっかく来たんだし楽しもうよ」
僕はしたくもないおべっかを使い その場を収め
また探索をはじめようとした時だ
「あたしトイレいくわ」
と最後尾にいた佐々岡が
口を開くと後ろを振り返り
ダルそうにスタスタ戻っていった
「暗いし危ないからついていこうか?」
まったくその気は無いだろうが松山が気を使い佐々岡に声をかけたが
彼女は振り向きもせず角を曲がり消えていった。
しばらく、その場で佐々岡を待つ事にしたが
彼女が帰ってくることは無かった…
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