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佐々岡が消えて 僕らは悼まれない気持ちでいるなか
彼氏である新井は
廃校の教室の1つに入り机を蹴飛ばしたり
窓ガラスを割って楽しんでいた
「佐々岡さん遅いね…」
菊池は床に座りながら下を向いている
「迷ったのかな?」
松山がそう口にしたが 迷うような作りではない学校で
そんな訳はないことは薄々わかっていただろう
「皆で探しにいくか?」
僕の言葉に二人がヤレヤレと立ち上がろうとした時だ
何気なく見た廊下の端に顔が醜く爛れた男が目に入った…
「…」
声なき声をあげ僕が狼狽し後ろに倒れこむと
松山が異変に気づき声をあげた
「どうした!」
「今!な、なんかいた…」
松山は咄嗟に僕が指さす方に懐中電灯を向けたが
化け物のようなヤツは消えていた
「本当に見たのかよ!」
「み、見た…化け物だった」
僕らのやり取りに新井が近づき話を聞くと
「おおマジかよ!よし見つけて来てやる」
と松山の懐中電灯を奪うとヤツが消えた先に駆け出していった
僕ら三人は固まるなか 徐々に一刻も速く逃げ出したい気持ちになってきたが
新井や佐々岡を置いて帰ったなんて事になると
後々めんどうになるのは充実承知していただけに
灯りがないなか 僕らは仕方なく佐々岡を探す事にした。
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