天使のドアホン

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「仕事どう? 小学校の仕事は」 「……まぁまぁだよ。まだ慣れないことが多くて、嫌になる事も多いかな」 「ふーん。もう挫けてるんだ」 「やめてよ。もう。一年間続いただけでもすごいんだからね」 彼女は両手でお茶を飲みながら、にやにやと笑った。 「いやー、もう春かー。絵美里が小学校の先生になって早一年。季節が過ぎるのも早いね」 「そうね。ほんと、あっという間よ」 仕事をしているだけで、季節はあっという間に過ぎていく。そんなものに興味を向ける気力すらなかったため、誕生日すら忘れていたくらいだ。 「これからはもっと早いかもだよ。覚悟しとかないとね」 「そんなことは嫌でもわかってるわよ」 「本当かなー? ふふっ」 「もう。何が言いたいのよ?」 「いや、別にー? そんなくたびれた顔で言われたって、何の説得力もないからさ」
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