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三春はいつも明るくて無邪気な性格をしている。誰にでも優しくて、前まで将来の夢は、私と同じで小学校の先生だというくらいだ。ただひとつある彼女の欠点は、自己肯定感が低くて、自分のことを犠牲にしてまで他人を助けようとするところだ。
こんなに明るい彼女に、どうしてそんな暗い心があるのかと疑問に思う。
「就職は、してるのよね?」
「……うん。まぁ、今度から別のとこに行くことになったけど」
「安定しないわね……ちゃんと落ち着かないと、幸せな生活なんて送れないわよ?」
「あはは……確かに」
三春は頭を掻きながら、苦笑いを浮かべたが、すぐに改まって私を見つめた。
「私さ、実は絵美里と似てるとこがあるって、思ってたんだ。どうしてだと思う?」
「何よいきなり……全然似てないわよ」
「違うよ。私も絵美里も、自分のことがおざなりになってるんだ。自分よりも他の人を優先してしまう。だから、ストレスも抱えやすいんだ」
急に、冷たい手で心臓を掴まれた気分だった。
なぜ私のことがわかるの……そう問い詰めたいのに、別の言葉が飛び出した。
「そんなこと……」
「そのうち、絵美里は耐えられなくなるよ。そして、自殺をする。絵美里は自分が思ってるよりも、弱いんだ。私は、絵美里に死んでほしくないよ」
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