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「……みんな、ごめんね」
爆発が起こったように、歓声が起こり、側にいた看護師さんは目を丸くして叫んだ。
「あ、あぁっ……せ、先生! た、大変です!! すぐに、来てください!! 患者が、ぐすっ、目を、覚まして……」
──あ、あの看護師さん、植村きりかちゃんだ。
他にも……あのがっしりとした身体をしているのは、平川篤志君。
すらっとした体型の人は、藤井御心ちゃん。
誰よりも号泣しているあの人は、早川桃江ちゃん。
樋口真紀ちゃんに、川元結城ちゃん、新谷優子ちゃん、立脇拓人君、中田和俊君、まだ他にもたくさん来ている。
──本当に、何してるんだ。私は。
こんなにみんなを心配させて、私は本当に、馬鹿だ。
こんなに優しい友達がいたのに、なんで私は一人で抱え込んで、こんな、追い詰められるまで──。
張り詰めた糸が切れたように、私の両目からは涙が溢れ出していた。両手で抑えようしても、隙間から止めどなく流れていき、それが真っ白なシーツに染み込んでいくのを見ながら、私は優しい温もりに包まれていくのを感じていた。
光は、こんなに近くにあったのだ。灯台下暗しとはよく言ったものだ。私は、自分の周りを見ずに遠くまで歩いてきていたのだ。
気付かせてくれたのは、ここにいる、みんな──。
「……あれ?」
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