天使のドアホン

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私は冷蔵庫から取り出したレモネードを一口飲んで、布団に転がった。 レモンの爽やかな酸味と、ほんのり甘いシロップが、体内を駆け抜けていく。 一日は忙しく過ぎていく。油断していると次の日が来たことにさえ気付かずにいるので、私は毎晩欠かさずにニュースを観ることにしている。キャスターの淡々とした口調、番組の静かな音楽は、心を落ち着かせるのに最適なので、私はそれを一日が終わったことのサインにしているのだ。 しかし。 「……悪いニュースばっかり」 ニュースを観るなら、明るいニュースがもちろんいいのに、最近明るいニュースが少ないのだ。
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