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桜並木の先に、関ケ原の戦いの資料館があった。
充分に桜を見て満足していた私は中に入って展示物を見た。入るのが当然と思って入った。関ケ原といえば、すぐに思い浮かべるのは『関ケ原の戦い』だろう。
桜の花は綺麗だったが、ここまで来てそれを知らずに宿に向かうのはもったいない。展示されていた物をじっくりと読む。
とても印象的だったのは、非常に極悪狸な徳川家康の肖像画。それに対比するように凛々しい殿様風な石田三成の肖像画。関ケ原では、家康よりも三成の方が人気があるのだろうか。
少なくとも資料館では三成が好まれているようだった。いかに三成が優れた政治家だったかが懇々と説明してあった。
家康は勝利した後に、町民の癇に障ることでもしたのだろうか? そんな楽しい疑問を持った。
天下を取った家康よりも、負けてしまった三成の方が持ち上げられていて、忠臣蔵では悪役の吉良上野介が地元では大人気だとテレビで聞いたことを思い出した。
勝者ではなく敗者に優しいかつての日本人の気質を見た気がした。敗者にするまでがえげつないことは置いておこう。
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