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桜の時期に旅に出た
寒い冬が終わり、日差しが眩しく感じられるようになると、緑が芽吹き、花が咲き出す。
桜が舞い散る時期は、旅に出たくてうずうずする。
ネットで宿を取り、西に向かって列車に乗った。どこでもいいから、桜の花が咲いているところへ行こうと思った。空いている窓際の席に座り、車窓を流れる景色を見ていた。
満開の桜の木があるだけで世界は華やいで見える。どうしてこんなに心がはずむのか。桜の季節はどこに行っても桜があり、日本に生まれて良かったとさえ思う。南から北、西から東という感じに桜前線が移動する。
駅で列車が停まり、見事な桜の木が並んでいるのが目に入る。
降りる駅ではなかったけれど、反射的に荷物をまとめるとその駅に降りていた。
駅名は『関ケ原』。
1600年に家康率いる東軍と石田三成の西軍が戦った場所。
あの、天下分け目の戦があった関ケ原だった。
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