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ベッドの端に腰掛けて、目の前に眞澄を立たせた。普段見上げてくる顔が、今は啓太を見下ろしながら緊張してる。
唇が少し尖って、顔が赤い。
―――これでレツジョー抱くなって言う方が無理。
腰掛けた啓太じゃ、眞澄から身を屈めてくれないとキスができない。先にすべきだったと思いながら、細い腰を抱き寄せる。
「あ。」
間の抜けた声を吐き出した唇が、きゅっと結ばれて、解ける。
「あの、」
「キスがしたい」
強請る声で、眞澄の腰から、背中に指を滑らせる。ひくと、背中が震えた。
「眞澄は?」
誘導して問うとまた唇が結ばれて、小さくうなずく。
こんなにも、簡単なこと。
求めるなら、なんでもしてやるのに。
唇が近付く。
少し、背筋を伸ばせば、眞澄の方から近付いてくる。啓太は口を開いて、舌を差し出す。柔い唇に舌先が触れる。
ひくん。と、抱いた腰が震える。
「座って」
足の間に、膝をつかせる。膝立ちの目線が、かっちりと合う。
「どんなキスがいい?」
髪を撫でて、問う。茶色いネコっ毛が柔らかく指に絡み付く。爪先で耳の後ろに触れる。
「んっ。」
鼻先に舌で触れる。触れて、そっと、外して、唇に唇を押し付けて、離す。
「こんなのと、」
唇に息がかする。眞澄の唇が物足りなそうに開く、そこに舌を差し入れる。
「ンぅ、」
項を引き寄せて、更に奥に忍ばせる。
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