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嬉しいのに。
―――どうしたら、いいんだろう。
自分のだって、あんまり触ったことがない。輪を作った手で上下に扱くくらいで手技なんて言えるほどのものもない。
―――強く、触るって。
爪を立てたら痛いだろう。握力を込めすぎたらさっきみたいになるかもしれない。下着の上から撫でているだけで、困ってしまう。もっと早く、グー◯ル先生に色々教わっておけばよかった。直で触っていいものか、そこでもまた悩む。いきなり突っ込んだらがっついてるとか思われるんじゃないか。もう少し待ったほうがいいのか。待つって、何を?1回パンツの中で射精してもらったほうがいいの?いや、それじゃあ下着が汚れるし。
よくわかってないのに、息だけが熱くなる。手の中で小さな生き物みたいに体温を上げていくものに誘発されて、胸が締まる。口から息を吐くと啓太の首筋に触れそうできゅっと唇を締めて鼻で息をした。
「ますみ、」
呼ばれて顔を上げる。その唇に、湿った柔いのが押し付けられる。押し付けられて、離れて、もう一度重なって、唇がぽやっと開いたところに舌が差し込まれる。
「ン、」
ゆっくり、ゆっくり舌は眞澄の口中を探る。頬の内側を、口蓋の蛇腹を舌の側面を、撫でて擦って、たまに強く押して、その度に唾液が溢れる。溢れて、飲み下して、眩暈がする。
「……やっぱ、無理そう?」
唇がほんの少し離れて、口の中で問われる。これだけじゃ足りないってことなんだ。それが、判る。
「無理は、しなくていいよ」
「あ、」
そういいながら啓太の手が、体を引き寄せる。引き寄せて、そっと、シャツをめくる。
「無理そうなら、俺が触るから」
頬に寄せられた唇が、そのままささやく。
「それは、ダメ、ですッ」
「うわっ」
動揺と意地が相まって啓太の下着に手を突っ込んだ。
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