虎、馬る。

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 最初に触れたのは強い艶やかな毛並みの感触でその下に、皮膚の感触がある。まだ表面の皮膚は少し余裕があって、指先で触れると、また、張り詰めた。目線だけで自分の手元を確認する。黒い下着の中に、自分の手が入ってる。自分の手の形と、啓太のソレの形に下着が膨らんでいる。  目の前がぐるぐる回る感じがした。  触った感じは、皮のだぶついた皮膚みたいだ。自分のと大差はない。でも、指先で確かめる大きさが、長さが違う。  指を伸ばして、先端を探す。下着の上から触ったのを思い出しながら見当をつける。  「ッ……」  息を詰める音が耳元で聞こえて、ぎゅっと心臓が小さくなる。自分がしてもらったとき、気持ちよかった場所を思い出そうとする。触られるだけで衝撃的で、啓太の手だって思っただけで心臓がそわそわして、体が自分のものでなくなったみたいにとろけて、気持ちいいのとちょっと怖いのが頭の中を真っ白にしていったのを思い出して、自分のまで痛くなってくるのが判る。  最初は、どんな風に触られたんだっけ。  どこが気持ち良かったんだっけ。  記憶を反芻する度、訳がわからなくなる。頭の中が熱くなってぐるぐるして、目まで回りそうで、次は?次は?って疑問ばっかりで結局さっきと同じようにただその場に手が留まってる。  「ンっ」  伸ばした指先に、濡れた場所が触れた。啓太の息を詰める音が聞こえた。それは、甘くて切なくて、自分まで苦しくなる声だった。  「やばい、」  飾り気のない声が、肩口に脱力する。  「眞澄の手だって思っただけで凄い、苦しい」  「苦しい、んですか」  それは好くないんじゃないか、触らない方がいいのか、不安になって指先は濡れた場所に触れたまま硬くなる。  「うん、苦しい、つーか、下着ん中じゃ中途半端でキツい」  「あ。」  そういう苦しいだと気づかされて少し安堵する。安堵して、そっと、啓太の下着をずらした。  ぶるん。  「うわ、」  胴震いして正体を現したナニに一瞬目を奪われたまま硬直した。
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