虎、馬る。

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 啓太の大きな手が脚を辿り、足首を捕らえた。  ―――これは、どういうことなのだろう。  剥き出しにされた下半身に啓太が触れている。  自分の汚いもので啓太の手を汚してしまった、しかもそれを啓太は何てこと無い風にシーツで拭ってしまった。それだけで天地がひっくり返るかと思った。でも、啓太のことをイかせることが出来た。自分にしては上々の出来だと思った。きっと、啓太は、少し息の切れた色っぽい顔で、いつもの照れたような顔で笑ってくれるんだろうと思った。その掌で髪を撫でてくれるんだと思い込んでいた。  「うわッ!!」  まるで当然のように啓太の手が眞澄の脚を持ち上げる。  「センパイッ!!」   半身を捻って上体を浮かした。それでも浮いたのは肩甲骨の辺りまでだった。両足首を持ち上げられ重心が上体の方へずれてしまい起き上がることが出来ない。  ―――これっ!  全部丸見えになる。いや、アソコに関してはこの前、じっくりこってり見られたし、さっきだって見るどころか、お互いに触りあってそれどころか先輩の手まで汚してしまって。でも、ソコどころじゃない。  「啓太、先輩、」  喉が引き攣る。上手く声が出ない。心臓がひっくり返りそうなくらい早く動いている。  また、啓太の手が下腹に触れる。ぺったりした下腹部にかさついた掌が戻ってくる。指先が臍を引っ掛けて弾く。小さな呻きが、自分の唇からもれるのがわかった。  「ぅわあッ」  啓太の顔が近付く。圧し掛かられて、自分の足が目の前に来る。息がしづらくなる。体を半分に畳まれるみたいな圧迫感。開かれたと思った両足は腿の辺りで啓太の腕によって一抱えにまとめられた。それはそれで苦しい。  「ぅヒッ!」  あまりの力強さにもう一度啓太を予防とした瞬間、にゅるとぬめったものが祖頚部を通った。  ―――う、わ。  苦しい体勢のままで自分の下肢に目を向けると自分の股間からが2本突き出してた。  「っ、」  思わず両手で顔を覆った。ねっとりとしたものが頬に触れたが、気にしている余裕もなかった。啓太の息が額にかかる。髪が揺れて、体が震える。  ―――直径が、違いすぎる……。  指の隙間から思わず盗み見る。亀の頭って、上手いこと言ったもんだなんて思ってしまう。
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