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(え?
先におかん役をゲットしておく?
おかん役ってもこのコ達におかんが いりそうやけど…。)
茜はそう思いながら雛っコ達をながめる。
よたよたとしながら敷かれた木屑のでこぼこした山を歩いたり他の雛っコの下に潜り込もうとしてじたばたしている。
たよりなさげな命…でも、無垢で無心でなんとなく目が離せない。
「見せてもらってええですか?」
先輩は店員さんに断って手をそっと入れる…。
ぬくもりを求めているのかよたよたと寄ってきてよじ登るコもいる。
「お、お前チャレンジャーやな」
先輩の顔がやさしくゆるむ。
しばし考えて、いろんなコを相手していた先輩が
「すみませーん、このコとこのコ…。
男の子?女の子?どっちかな?」
店主らしき、おじいちゃんがあらわれて…。
「ごめんなぁ…この位のコはわからんわ…。
あえていうならこっちが男の子、このコは女の子……かな?
ま、あてにはならんけどね。」
「あ~。
じゃ、こいつら連れて帰りたいんで…。」
茜は先輩が「連れて帰る」という言い方をしたのを好ましく思いながらも、らしいと思った。
背は高いってほどではないが細身だけどけっこう武闘派でヤクザを過激な方法で黙らせたこともあるって聞いたことがある人なのだが…やさしいところがあるのはオトモダチとしてもわかっていた。
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