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────僕は、君を、決して忘れない。 「僕はさ、千奈津ちゃんのことが大好きなんだよ。どうしようもなく好きだから」 ぽつりぽつりと、窓の外を滴が玉となって流れる。 いつだって磨かれている窓は曇り1つなく、外の景色を額縁に入れたように切り取っている。 最近は梅雨に入り、雨の日が続いていた。 千奈津はこの窓からよく景色を眺める。 晴れの日も雨の日も雪の日も、この窓の外に見えるありふれた景色を眺めるのだ。 ここは里中(けい)が住むマンションの一室。 ビルやマンションが建ち並ぶエリアに建てられた、7階建ての単身者用賃貸マンションだ。 慧と千奈津が付き合い始めたのは1年程前。 2人が務める会社の入社式で出逢ったのが始まりだ。 千奈津は10人いる新入社員の中で、一際目立つ存在だった。 明るく溌剌とした様子は周囲を元気にし、悩みを打ち明ければ一緒に悩んでくれる。 悲しいことは一緒に泣いてくれるし、楽しいことは何倍にもして笑わせてくれる。 そんな千奈津を慧が好きになるのは必然だったのかもしれない。
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