枯れ姫と小生意気なキミ

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「好きです」 部下から 資料室に呼び出され 言われたとおりに 資料室へと行けば好きだと告白された。 「あの、よかったら俺と」 「悪いけど私、今、誰とも恋愛する気ないの。」 ずれた メガネを戻しながら 部下からの告白を 迷うことなく即答で断る。 「そう、ですか……。すいません、変なこと言って……」 私へと 頭を下げた後輩は 私と視線を合わすことなく 逃げるようにして資料室を後にする。 あーあ……。 これから しばらくの間 またヒソヒソと陰で 有る事無い事言われるんだろうな…… ''枯れ姫'' それは 不本意ながらに 私へとつけられたあだ名……。 見た目は 文句のつけようのない美人。 だけど 心が 枯れているからと 私の名前に 姫がついてるからという そんなふざけた理由から 私は陰で社員たちから''枯れ姫''と呼ばれている。 .
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