枯れ姫と小生意気なキミ

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「また、サボり?」 「サボりではなく休憩です」 ニッコリと 爽やかな 笑みを浮かべる 彼は同じ部署で働く穂高くん。 「私が頼んだ仕事、終わってるの?」 「ええ、もちろん。あとは主任の確認待ちです。」 「じゃあ次の仕事に取り掛かりなさいよ。仕事はそれ1つじゃないのよ?」 ひとつの 仕事が終わっても まだまだ やるべき仕事は山積みだ。 「……主任。人間、たまには休息も必要なんですよ?俺たちは、ロボットじゃないんだから」 入社して 2年目の穂高くん。 彼は本気と やる気さえ出せば 仕事の覚えも早く 処理能力も優れているのに なぜか いつも半分くらいの力しか 発揮しない彼はどこか小生意気な後輩……。 「あ、そうそう……。さっき、秘書課の女の子が穂高くんのこと探してたわよ?」 「俺を?ああ、ミカちゃんかな。いや、それとも、ユナちゃんかな。」 思い浮かぶ子が ひとりじゃないのね…… 最近の 若い子って…… はぁ、と ため息をつきながら 目についた 乱雑に 積み上げられている 資料の数々を棚へと直していく。 .
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