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プロローグー母との約束、そして■■
「マリア、約束して頂戴」
「何、お母さん?」
マリアローゼが生まれてからちょうど7年目の今日、聖痕を隠すためにプレゼントで首輪を掛けると、アンナマリアはマリアローゼを抱きしめながら彼女に言った
「貴女にはこれから、……きっと、辛い事がいっぱい待っているかもしれない……」
「どうして?」
無垢な疑問を訴えるマリアローゼの表情、これから先、この子に待ち受ける困難と絶望がどれほど辛いものになるか、アンナマリアはそれを理解して約束を交わさなければならないと理解しているのに涙が溢れ出そうになっていた
自分がこれまでにどれほど酷い事をしてきたか、幸せになってはいけないと分かっているのに、この純粋な目をした我が子を前に、母はこの子と共に幸せな生活を歩んでいきたいと願っていた
だが、それは絶対に叶わない話だ、だからこそ、アンナマリアは涙を堪え、笑顔に徹し約束しなければならなかった、この子の未来の為にも
「貴女がすごい子だからよ、母さんよりも、強くて綺麗な、優しい子だから!」
「そっか、お母さんも辛い事がいっぱいだったからこんなに優しいんだねっ」
マリアローゼがペンを持って紙に何かを書き始めた、『辛』という文字を書いて一本線を引き、その文字を別の意味へと変えたのだ
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