プロローグー母との約束、そして■■

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「これは?」 日本語らしい漢字が書かれているのはわかった、だが、意味は分かっていないアンナマリアはマリアローゼにその意味を訊ねた 「えへへ!『辛い』って文字に線を一本足すとね、『幸せ』になるんだよ!すごいでしょう!お父さんに教えてもらったんだ!!」 「!」 娘は言った言葉に母は我慢できなかった、アンナマリアはマリアローゼを抱きしめ涙を見せないようにしていた、だが、マリアローゼは母が涙しているのにすぐ気付いていた 「お母さん、なんで泣いてるの?私、何か悪い事したの?」 「ううん!!ちがうのっ!!……嬉しくて……、ああっ、マリアッ!」 夫が娘に教えた言葉、彼女にとって今までで最高の贈り物だった 「貴女のお母さんで、私……、本当にうれしいわ、……、こんなに優しい子なんだもの、貴女は私の宝物よ、マリア」 「えへへ、お母さん、私、約束するよ!どんなに辛い事があってもお母さんのように乗り越えて、強くて綺麗な、優しい子になるって!」 「ええっ……、お母さんとの、約束よ」 二人で指きりをして約束した、最後の約束だった  
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