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「これは?」
日本語らしい漢字が書かれているのはわかった、だが、意味は分かっていないアンナマリアはマリアローゼにその意味を訊ねた
「えへへ!『辛い』って文字に線を一本足すとね、『幸せ』になるんだよ!すごいでしょう!お父さんに教えてもらったんだ!!」
「!」
娘は言った言葉に母は我慢できなかった、アンナマリアはマリアローゼを抱きしめ涙を見せないようにしていた、だが、マリアローゼは母が涙しているのにすぐ気付いていた
「お母さん、なんで泣いてるの?私、何か悪い事したの?」
「ううん!!ちがうのっ!!……嬉しくて……、ああっ、マリアッ!」
夫が娘に教えた言葉、彼女にとって今までで最高の贈り物だった
「貴女のお母さんで、私……、本当にうれしいわ、……、こんなに優しい子なんだもの、貴女は私の宝物よ、マリア」
「えへへ、お母さん、私、約束するよ!どんなに辛い事があってもお母さんのように乗り越えて、強くて綺麗な、優しい子になるって!」
「ええっ……、お母さんとの、約束よ」
二人で指きりをして約束した、最後の約束だった
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