第三章 白い龍と黒い龍

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 驚きながらゆっくりと目を開け、顔を上げていくと。  私を真上から見下ろす燿馬が、目を丸くして息を切らして立ってた。 「やった!見つけた!!」  そう言って、燿馬は飛びつくように座り込んだ私に近付いてきて、私の顔を覗き込んだ。 「ごめんな!」と、謝る表情が小さな頃の苦しい時に見せた泣き顔になる。 「……燿馬」  大きな手で頬を撫でられ、その感触や体温にホッとする。  私は彼の首に腕を回して抱き着いた。燿馬も私の背中に腕を回し、ぎゅうと強く抱き寄せてくる。苦しいぐらいに抱きしめ合いながら、彼の首筋に顔を埋めて匂いを嗅いだ。  もう二度と、こんな風に抱きしめ合うことができないんじゃないか。  そう思って気が狂いそうになるぐらい不安だった。  だから………。 「お前の傍にいながら、まんまと攫われて……。守ってやれなくて、ほんとごめん!!」  見上げた途端に唇を押し当てられ、私はうっとりと目を閉じた。 「……迎えに来てくれた。見つけてくれた……。ありがとう、燿馬」  そう言いながら、キスをして。  もう大丈夫だとまだ思えない私は、「ママは一緒じゃないの?」と聞いた。  すると、燿馬は気難しい顔付をしながら振り返りため息をついた。 「さっきまで一緒だったんだけど……」と言い淀む時は、何かまた良からぬことが起きているということを意味している。抱き上げられるように立ち、燿馬の手を借りてゆっくりと歩き出した。 「怪我だらけじゃねぇか……。自力で逃げて来たんだよな?」
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