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「俺の母親、滅茶苦茶な人生送ってたんだ。
薬中だし、男をとっかえひっかえするし、あばずれで金にも男にもだらしない…。その場しのぎの快楽しか知らないで生きていた女さ。俺の父親が誰かもわかってなかった。
俺の絵が専門家の目に留まって、大金稼げるってわかった途端に金のなる木扱いさ。そこでやっと俺に関心が持てたみたいだったけど、今更どんな風に接したら良いのかお互いにわからなかった。薬やら煙草やらで体を痛めつけてたせいで、俺が死んですぐに死んだらしいけどさ。薬の摂取量間違えたって聞いてる。
でも、そんな憐れな母親でも俺を産んで一応育ててくれた人だからさ。
彼女が幸せになりますようにっていう願いを込めて、サイン代わりに招き猫を描き込んでた時期があったんだ。あれに意味があるって言ったって、その程度のもんさ」
そう言うと、彼は細マッチョの体を魅せるかのように突然白いタンクトップを脱いだ。
肩甲骨から腰にかけて棘で連なった四つの薔薇のタトゥーが浮かび上がる。
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