01(プロローグ)

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――俺は気が付くと雲の上に居た。あの世かな? さっさと来世に送ってくれないかな、アハハ。  すると、神々しい光が近付いてくる。人間程の大きさになり、長い白髪に白いモッサリとした髭……間違いない! 神様だ。ウッヒョ~、とりあえず、地獄行きじゃないな。 「青年、南木曽よ、クソ味噌な人生、お疲れ様」 「神様だろ? 願い事を叶えてくれるよな? 家族に恵まれなかった可哀想な俺にチャンスを」 「よかろう、1つだけ何でも願い事を言ってみろ」 「ごちゃごちゃ言わんとワンパック!」 「はっ!? それはなんだ?」 「だから~、ごちゃごちゃ言わんとワンパックだよ~」  俺の必殺技“ごちゃごちゃ言わんとワンパック”とは神様に願い事は1つと言われた時対策だ。大体、願い事の回数100万にしてとかだが、それはダメと言われるパターンがお決まりだ。ごちゃごちゃ言わんとワンパックはくじ運1億倍、天才的頭脳、身体の急激なヒーリング能力、努力せずにサッカーの有名選手の様な均整の取れたボディー、何より健康第一で長寿、それと、オマケに前世の記憶付き、他人を自由自在に操れるという俺が考えうる、人生を楽しく送れる、料理で言ったらスパイスのようなチートスキルを1つのパックとするものだ。  俺はそれを神様に説明する。 「こんな小賢しい奴は300年に1人だ、けしからん」 「ナイスアイデアでしょ。狂人と変態は紙一重だ。さあ、来世でこのスペックにしてくれよ」 「う~ん…………確かにお前は苦しい人生だったが、これは求めすぎだろう。……でも次の世は戦いの真っ只中だからいいかな。ワンパックって言ってるから1つ分かな? う~ん…………」  悩め悩め。まずは高い注文をして妥協してくれれば、シメシメだ。こっちはアンパイな健康第一と前世の記憶だけでも叶えてくれれば、万々歳。オマケがどれくらい付くかだ、アハハ。 「お前が来世と言っている世で今、1人の名もなき兵士の命が消えようとしている。その男の命を延長する形でお前の精神を入れ換える。それでいいか?」 「それなら、前世の記憶は付いてくる? その男は健康か?」 「ケガをしていて重体だが急激なヒーリング能力で健康なれる。他の能力も後から送ってやる。顔はソックリだから、早く行きなさい」 「何を慌ててるんだ? 顔はイケメンなら何でもいいよ」  パッと、目の前が夜になる。頭が痛い。さて何から始めよう。
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