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俺はゼニア姫に色々質問をする。最大の謎は魔王って何? だ。ゼニア姫は魔王、テオブロに拐われの身となり、人質にされるところだったが、魔法剣士、ジャック・ストライフの活躍により取り戻されて魔法車に乗せられたが、運転手の志願兵(俺が精神を乗っ取る前)は頭部にダメージを受けて、運転は危険と判断し、車外に出た時に俺の精神と入れ替わったようだ。
テオブロはこの世を支配して惑星大統領の座に着こうとしたが、ゼニア姫のが候補選挙の得票数が多かった。まあ、軍事クーデターみたいなものだな。
俺とゼニア姫は車外に出る。魔王はミイラの様にシワシワになっていた。ただのコスプレーヤーじゃないな、アハハ。
「ぐう……許さん……」
「まだテオブロは生きてる!? ソウ、今度こそとどめを!」
「えっ!? どうやって? シワシワだよ、コイツ」
「あれだけ魔法車を運転出来るなら上級魔法くらい使えるでしょ? 爆裂魔法よ!」
「どうやるの?」
「アナタ、バカなの!?」
「貴様に呪いをかけてやる!」
プシュー……魔王はドロドロに溶けてしまった。
「あ~あ、テオブロは復活するかもしれないわよ」
「また、魔法車とやらで跳ねてやるから安心しろ。……ところで、ここはなんて言う国?」
「アナタ、バカなの!? それとも、激しい戦いで健忘症にでもなったかしら。ここはラークバロン公国よ」
「頭を強く打ったからかな、アハハ」
「よく見ると、カブトが割れて穴が空いてるわね」
俺はカブトを脱ぎ捨てる。寒い! すぐに魔法車に乗り、暖房を点ける。
「ソウ、私を先に乗せなさい!」
ゼニア姫は助手席に乗り込んできた。
「じゃあ、魔王も倒した事だし、お城まで乗っけて行ってやるよ」
「まだ健忘症は治ってないようね。魔法車で城まで行けないわよ」
「そうなの? めんどくせえな~」
「ラークバロン城は空中宮殿だからね」
「空を飛ぶ魔法とかないの?」
「なっ、何を言ってるの!? 空中に浮く魔法は封印と並んで最上級魔法よ? 私でも使いこなせない」
「俺がちょっと練習すれば簡単だよ」
「ソウは底辺兵士なのに魔法車を運転出来たり、ビッグマウスだし、訳が解らないわ」
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