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四年後
親友が遠くへ行き、もう一人の親友がもっと遠くて行ったあの満開の桜の日から四年もの歳月が経った。長いようで短かった四年だった。
今日、くー、坂井がやっと自由になった。さーちゃん、久保は出迎えることにした。皮肉にも、桜が満開だった。
「…おかえり、くー」
「…ただいま、さーちゃん」それぐらいしか、二人は言えなかった。くーは、みーちゃんを殺害したことは認めた。しかし動機は、となると黙秘を続けていた。さーちゃんが獄中のくーと面会したときも、何故みーちゃんを殺したかは、言ってくれなかった。
「…あの桜の木に行かない?」気付けばさーちゃんはこんなことを口に出していた。
「…いいよ」と、くーが言ってくれたので、よかった。
「やっと話す決意ができた。話していい?」例の木の下に来るなりくーが呟いた。
「いいよ」さーちゃんが応えた。
「ええと、どこからいえばいいんだ?」
「わからないなら、僕の推理を先に言っていいかな」
「いいよ」とくーに言われた。なのでさーちゃんは語り尽くすことにした。
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