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「あの日、タイムカプセルの所に行く途中でみーちゃんが『ねぇくー、ちょっとこっちきて』と言われて付いて行った。そして森の中でみーちゃんが急に立ち止まって、刃物を突きつけた。私は刃物を持つみーちゃんの手を払い、みーちゃんの手を空にした。そしたらみーちゃんが『お願い、私を殺して!』と言った。もちろん、何がしたかったかは理解出来なかった。私が軽く混乱していると、『くー、私のこと、恨んでるでしょ』と言った。そして刃物を私の鞄に突っ込んだ。
『私を殺すか殺さないか、考えておいて。夜になったらまたここに来て』
そう言われたあと、みーちゃんはその場を離れた。
その後、この桜の木に行って、タイムカプセルを回収したあと、またそこに行った。みーちゃんが律儀に待っていた。
『どう?殺すって決めた?』
『いや、みーちゃんは殺せない』もちろん、私はそう応えた。
『それに、何でそんなに死にたいの?』
『どうせ、くーも私を恨んでいるでしょ。だって私くーの…』
『知ってるよ。みーちゃんの発言を間に受けた真犯人が私の両親と妹を殺したって。でも、私は恨んでないよ、みーちゃん』
そのとき、みーちゃんは何が何だか分かってなさそうだった。
『あと、もらったこれ、返しておくよ』私は鞄に入れられた刃物を返した。その時、マナーとして悪い渡し方ー刃先をみーちゃんに向けたーをしてしまった。
みーちゃんは刃物を持っていた右手をがっちりと掴み、私を押し倒した。勿論、刃物が刺さったみーちゃんの腹部は赤く染まっていた。
『どう、これで、少しは気分、スッキリした?』これが、彼女の最期の言葉だった。その後は君の推理どうり出頭した」
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