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「……もしかして、あたしお邪魔した?」
「ああ」
「なんか、色々ごめん」
そんなことよりもと先を促すと、里紗は先程繰り広げてしまった喧嘩についての謝罪と外出した後の予定を口にした。
「でもよかった、仲直りしてて。そのまま愛を深めちゃって」
「お前な」
「じゃあね」と明るい声で通話を終わらせる彼女に一つ息を吐き、智孝は着信音を消して携帯を放った。その際に、電話の相手が気になっている様子の有羽に里紗からの伝言を簡潔に話す。
「里紗、柊一の所に泊まるってさ」
「そっか。里紗に悪いことしちゃったな」
むしろそのセリフは里紗が言うことだろうと思ったことが顔に出ていたのか、智孝の表情を見て有羽はにこりと笑う。
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