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「涼音…帰ってたのか……?」
背後からの声に振り返ると、
そこには父さんがいた。
真っ赤な包丁を持って、本人も血塗れで……。
けど、あれは…父さんの血じゃ…ない…。
「もう……俺達は終わりだ。」
父さんが一歩踏み出すと、私は一歩下がる。
「みんなで死のう…それで解決するんだ…何もかも…」
『嫌…父さん…何で…』
「怖がらなくていい…。大丈夫…。父さんもすぐ行くよ。」
『こ、来ないで…!』
私の背中は、突き当たりの壁に当たった。
『嫌っ……嫌!!』
そこからは、胸に広がる血の感触と痛みしか覚えてない。
”これは夢だ”
と必死に思いながら、
私は意識を失った。
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