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「……なんかすごかったな。知り合い?」
「うーん、そういえば新歓コンパに潜り込んだ時に見かけた気がするな……」
「潜り込んだのかよ!」
「まあ、タダで飲み食いできるしな」
そんなことを話しながら、つけ麺を食べに行ったりファミコンをしたりして(伸介の家には実機のファミコンがあり、二人で伝説のクソゲー「たけしの挑戦状」をクリアしたりしていた)その日は過ぎていったのだが、翌週、またサントコで授業を受けに行くと、待ち伏せたかのように、
「高尾さーーん!」
と、家に帰ってきた主人をしっぽを振って迎える犬のように、飛びついてくる宇多山瞬の姿があった。
「うぉ、なんだなんだ」
「こんにちは高尾さん! あ、あの、今日よかったらその……ご、ご一緒にお昼ご飯でもどうでしょうか!」
余りの勢いであっけに取られる二人であったが、冷静に考えればただ単に飯に誘われただけだったので、
「あ、ああいいよ」
「わーありがとうございます! あ、ぜひお友達の方も……って、すみません、まだお名前を聞いていませんでしたね」
「あ、ああ俺は伸介だよ」
「伸介さん! ぜひよろしくお願いします!」
そんなこんなで、伸介と高尾と瞬は毎週所沢校舎でのサントコ授業の後、よく昼飯を一緒に食べる様になった。
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