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「それじゃあ、転入生入ってこーい」
私は、一回深呼吸をしてから教室のドアを開けた
その後は、頭が真っ白になりつつもなんとか自己紹介を終え自分の席に着いた
「今日も一日頑張っていこうな!」
そう言うと、先生は教室を出て行った
すると、それと同じタイミングで一人の子が私の前にやって来た
「ねえ!転入生っていう事は転入試験に合格したんだよね!」
「あ、うん。そうだよ」
「倍率150倍のあの難関をくぐり抜けたんだよね!!」
「う、うん。そうだよ」
顔が近い.. 興味を持ってくれるのはすごく嬉しいけど、顔が近い..
「おい有栖川、質問はそのくらいにしておけ」
すると、彼女の後ろから男子がやって来た
「彼女が困ってるだろ」
「あ、ごめん!転入生って聞いたからすっごく気になっちゃって!」
彼女は、姿勢を正すと
「私は、有栖川比奈!スイーツ科です!」
「俺は、坂口颯太。同じくスイーツ科。よろしく」
「私は、立花結依です。ピアノ学科です。ことらこそよろしくね」
すると、比奈ちゃんはまた顔を近づけて来た
「ピアノ学科って、一番人気の学科だよね!!」
「そ、そうなの?」
「あの学科には、イケメンで秀才の奴がいるからな」
イケメン? 秀才?
「”宮瀬琉生”って言う、うちらの一つ上の先輩だよ!ピアノ学科でトップクラスの人なんだよ!」
そんなにすごい人なんだ..
「まあ、俺からすれば羨ましくて仕方ない存在なんだけどな」
すると、比奈ちゃんが颯太君の頭を撫でながら言った
「颯太には、可愛いの方が似合ってるからね~」
すると、颯太君は顔が赤くなり
比奈ちゃんの撫でている手を振り払いどこかに行ってしまった
颯太君って、意外と..
可愛いんだな..
と、ひそかに思ってしまった
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