桜コレクション

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桜コレクション

どうしてあんな夢を見てしまったのかは、今もってよくわからない。 学校の帰りに少し遠回りをして、近所の神社で桜を見たからか――。 その時に、散り落ちてきた桜の花びらを手で受けたからか――。 それとも、特に理由などはないのか――。 あの日の夜中、僕は息苦しさで目を覚ました。 胸のあたりに何かが乗っているかのような圧迫感を覚えて、眠りを妨げられたのだ。 もしかしたら、『息苦しさで目を覚ました』という内容の夢を見ていたのかもしれない。 目を覚ました直後は夢とうつつとが判然としないものだが……。 その時もそうだった。 胸の圧迫感で目を覚ました僕は、朦朧とした意識のまま不安な気持ちにさいなまれていた。 これが世に言う金縛りか。 あるいは、心臓に何か異常でも起きてしまったのか。 あおむけに寝たまま首だけを起こして自身の胸元の胸を見る。 女の子が正座をしていた。 僕の胸の上に、女の子が正座をしていたのだ。
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