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そして夏菜の事情聴取が終わると同時に、バイトから帰って来た勇真がリビングに顔を出す。
「事情聴取? いいけど、早くしてよね。僕は疲れてるんだから」
少しパーマがかった髪をいじりながら、勇真は言う。
その両手の指には、たこが出来ていた。
時々位置が直される、鏡のように電灯を反射するメガネ、それは勇真によると、新品であるそうだ。
勇真の話では、勇真は父親に認められていなかった。
だが勇真は諦めずに、一生懸命彫刻の勉強をしていた。
自分を認めてくれなかった父親は憎らしい、しかし犯人は許せない。
「だからお願いだ。犯人を捕まえてくれ」
勇真は湊人たちに頭を下げて、そう頼むのだった。
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