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この日は湊人も、現場を見ることにしたようだ。
アトリエの中にちらばった作品の残骸に、その中心に存在する人型の白いチョーク。
しばらく手を合わせてから、湊人はアトリエの中を調べ始める。
「二人に質問だ。どうして窓が割れているんだ」
「強盗が割った、もしくは家族の誰かが割ったんでしょ」
遊星が即座に返事をして、鑑識の作業に戻る。
その途端に、湊人の携帯電話が鳴る。
「はい、森嶋です。ああ、お前か。……了解した」
短い通話を切り、湊人は遊星たちに報告する。
「昨日下谷が言っていた、不審者の身元が判明したそうだ。その人物は橋本家の隣に住む美大生、野村裕司。
野村は和雅に、彫刻を習っていたそうだ。何でも、美大での専攻が彫刻らしく、よく橋本家に出入りしていたとのことだ。ただ……」
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