警視庁第十九課 『彫刻家殺人事件』

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 彼が橋本家に着いたのは、午後を少し過ぎたころであった。 「戻ったぞ……。って遊星たち、どこに行ったんだ」  二人はアトリエの中にはおらず、リビングでくつろいでいた。 「おかえり、湊人。今は休憩中だよ」  椅子に座ったまま、遊星は言う。  テレビの前に備え付けられたソファには、翔大がカメラを片手に深刻そうな顔をしている。 「翔大、何か分かったか」 「少しだけ違和感があるんやけど、それが何なんかはまだ分からん」 「俺も見ていいか」  翔大は頷いて、湊人にカメラを渡す。
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