警視庁第十九課 『彫刻家殺人事件』

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「犯人はあんただ、遊星」  目を丸くして驚く遊星に、湊人は説明していく。 「遊星、あんたは冷蔵庫からこれを取り出した。俺がこれを冷蔵庫に入れたのは、今日の八時。そして俺が確認したのは九時。一時間の間にあんたはこれを」  そこで扉が開き、一人の人物が部屋に入ってくる。 「……何してんだ」  眉をひそめて、布井(ぬのい)祐一(ゆういち)――第十九課のリーダーである――が湊人たちに近寄る。 「『プリン消失事件』の犯人を確保しました」  そこには、後ろ手で縛られた遊星の姿があった。 「お前ら、高校生か? 全く……。事件だ。早く席に着け」  布井は何も見なかったかのように、資料を会議机の上に置いていく。
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