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「夫は、娘と息子はこのアトリエに入れていました。ですが私だけは、どうしても入れさせてくれなかった。夫は、将来性のある娘と息子にはとても優しく接してくれました。ですが、私に対しては……」
冬実は自分の腕をさすりながら、視線を落とす。
彼女が着ている薄いシャツから伸びる腕には、打撲痕が残っていた。
「家庭内暴力、ですか」
湊人の言葉に、冬実は頷く。
冬実の話によると、被害者である和雅は娘である夏菜、息子である勇真には優しく接していた。
特に、娘の夏菜には厳しく指導していたそうだ。
その反動のように、妻の冬実には辛くあたり、時には暴力をふるうこともあったようだ。
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