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訳が分からない
俺は鈴原直樹(すずはら なおき)。中学1年生。
中学校に入学して、楽しい毎日が待ってると思ってたら、全然違った。
…楽しくない、ってことはないけど、嬉しくはない。
どうも好かれすぎている。
「やぁ、おはよう。鈴原。」
俺に挨拶してきたのは笹田蒼馬(ささだ そうま)。顔は割と整っているのに、俺にばっかり話しかける。あのルックスなら、女子にモテモテなはずなのに。
「…鈴原、今日もかわいいね。」
女子ならイチコロの笹田スマイルを俺に向けるな。
できることなら俺じゃなくて女子に向けて欲しい。
俺に向けても意味無いから。
教室の前に着くと、笹田は教室の扉を開けてくれた。
(くそ、こいつは性格までいいんだから…!)
教室に入ると、いつものように3人の男子が俺の机の周りに群がっていた。
「あ、鈴原。おはよう。」
この人は岡園翔亜(おかぞの とあ)。
岡園は運動神経が割と良くて、いくつもの運動部に勧誘されてるらしい。俺はそんなこと絶対ないから羨ましい。
「今日もかわいいな。」
「そんなことないから。小峰の目は腐ってると思うよ。」
次に話しかけてきたのは、小峰輝人(こみね きらと)。
たまに素直じゃない、ツンデレな部分がある小峰。でも割と優しいとこがある。
「あ、笹田!僕の鈴原と一緒に来たでしょ!抜けがけはずるいよ!」
「俺は形見の物でもないし、たまたま会っただけ。」
何故か俺を自分の物扱いするのは、形見龍樹(かたみ りゅうき)。
比較的かわいい系?の顔をしていて、掴みどころがない。
授業も基本聞いただけでほぼ内容は完璧に覚えられるらしい。その能力が俺にも欲しい。
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