笹田の苦悩

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このジャンケンの手に俺の運命が懸かっている。 負けてしまったら、羨ましさで死んでしまうかもしれない。 「じゃんけん、ぽん!」 …他の3人とも、チョキだった。 対する俺は、グーを出していた。 「…俺の、勝ち…」 俺がそう呟いた途端、3人が崩れ落ちた。 「うわぁ…」 「絶望だ…」 「僕がやりたかった…」 と、皆口々に絶望の念を発していた。 「そもそも形見は見たいだけとしか言ってないじゃん。」 「そうは言ったけど…最初は僕も実行するつもりだったし…」 …なんか、3人がここまで絶望しているを見ると、少しだけ申し訳ない気持ちになってくる。 誰かにこの権利を譲るか…? …いや、せっかく手に入れた権利を手放す訳にはいかない。 ありがたく使わせて貰おう。
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