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…
ありがたく使わせて貰う、とは言ったものの、人間その時になるとやっぱり緊張する。
人の頭に手を置くだけでこんなにドキドキするものだったっけ…?
…よくよく考えたら、その対象が問題なんだよな…
別に恋をしていない形見とかにだったらなんの躊躇いもなくできるんだけどなぁ…
やっぱり、鈴原のこと好きなんだな…
人に恋したことない俺の初恋、しかも同性。
でも、好きになっちゃったものはしょうがないんだよな…
前向きに捉えるしかないか。
その時が近づいてきた。
給食を食べたのだが、いつもとは比べ物にならないくらい早く食べ終わってしまった。
机の中から本を出して、本を読んでいるフリをしながら考える。
…今しかないのか。
緊張するのであれば、早めに終わらせてしまった方が気も楽になる。
嫌ではない、ただ、ドキドキしてるだけ。
高鳴る胸を押さえ、その時を待つ。
給食を食べ終わり、鈴原の様子を見ると、まだ食べ終わってない様で、頑張って食べていた。
その光景を見るだけでも、顔が自然と緩んでしまう。
でも、今しかタイミングがない。
そう思った俺は食器を持ち、立ち上がった。
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