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夢に、あなたが出てきた。
あなたは夢の中でも変わらず、白い歯を見せて眩しい笑顔をしている。
ただひとつ、現実と違うのはその笑顔が私だけに向けられていること。
この夢がどうか覚めないようにと願ったけれど、ピピピピという無情な目覚ましの音で、その世界は霧散してしまった。
ため息を吐きそうになる。
……だけど、なんか。
今日は少しだけ、勇気を出せそうな気がする。
うん。告白は無理でも、挨拶くらいはしてみよう。
そうと決まれば早く準備しなくちゃ。
髪もメイクも、いつもより力を入れて。少しでもあなたの目に可愛く映れるように。
「行ってきます」
いつかあの夢が、正夢になりますように。
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