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君へ
君が咲く頃、僕はもうここにはいない。
君が満開になるときも僕は一緒にはいれない。
僕は溶けて消えてなくなってるだろうから。
でもね、本当は見たかったんだ。
君が咲くところ。
君が輝いているところ。
だって、少しの間だったけどそれでもずっとそばにいたから。
たぶん、僕を作ったあの元気な男の子も僕に君が咲くところを見せようとしてたんじゃないのかな。
あ、そろそろお別れだ。
そんな顔しないで。
そんなんじゃ咲く前に散っちゃうよ。
大丈夫。
僕は溶けて消えてしまうけど、
土のなかで君が咲くお手伝いをするんだ。
だからね、君は1人じゃないよ。
姿形はないけれど
僕がずっとそばにいるから。
だから、君はおもいっきり咲けばいいんだ。
君らしく咲けばいいんだ。
ほら、春が来るよ。
君を待ってる人たちがいる。
さあ、君らしく咲き誇れ。
サクラの木の下のユキダルマより
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