さよならステラ

１

　今日は朝からツイていなかった。まずもう目覚めからして最悪だった。スヌーズボタンと停止ボタンを間違え三十分の寝坊。信号にはいちいち引っ掛かるしチャリはパンクするしオーダーは間違えるしお客の子供に水ぶっかけられるし挙げ句の果てにはコーヒーを持ったサラリーマンにぶつかる始末。それが今。俺はコンビニの真ん前で知らないおっさん相手にひたすら平謝りを続けている。どこ見て歩いてやがるから始まり全く最近の若いのは、しまいにはこのスーツ高かったんだぞ自慢まで始まってもう俺じゃ埒が明かない。
　ていうかスーツの値段今関係なくね？　死ぬほどどうでもよくね？　クリーニング代出せばいいんだろ、いくらかさっさと言えよ。

　とは思っても言えずに頭を上げることすら叶わない。こんな一日の終わりを用意してくれるなんて今日という日はなんてクソなんだ。寝坊して見れちゃいないがどうせ朝の情報番組の占いも最下位だったんだろう。どうせ俺の人生、たかだか星座占いがたったの一日良くたってしょうもないことには変わりないが。