さよならステラ

１

　それにしたってそろそろ腰に来る。ていうかもうさっさと家帰って飯食って寝たい。ただでさえ今日はろくでもない日なんだ、こんな日は速やかに帰宅し引き込もるに限る。
　これもう土下座しちゃった方が早いんじゃねえの。そんな諦めが頭を過る。人間としての尊厳とかこの際どうでもいい。むしろ公衆の面前でいつまでも怒鳴られっぱなしの方がよっぽど来る。身体的に。俺だって朝からろくに休まっちゃいないんだ。今はくだらないプライドなんかより、さっさとこの場を後にする方が大事に思えた。
　おっさんの説教はまだ終わりそうにない、相も変わらず汚い唾を飛ばしながら延々とご高説を垂れている。ええい、もうやけくそだ。思い切って膝を折る。そのまま冷たいコンクリート目掛けて頭を振り下ろす。もう勘弁してくれよ。そう願いながら。